業種 | 精密機械の設計と販売 |
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従業員数 | 約10名 |
負債総額 | 1億8000万 |
債権者数 | 約80名 |
資産 | 200坪程度の工場と倉庫2軒 |
業績が悪化した理由 | 慢性的な売上の低迷。メインクライアントとの取引がなくなった |
本件では事業を閉鎖する直前まで稼動をした。
事業閉鎖の当日の朝従業員を集め、申立代理人の立会の下、全従業員の前で、事情を説明し、了承を得た。その際に未払いの給料や解雇予告手当の支払を済ませ、社会保険や労働保険などについての説明もしたため、大きなクレームはなかった。
大家から工場及び事務所の現状回復を強く求められたが、申立代理人が売掛金を回収し、現状回復費用を見積もった上で、その回収した売掛金の中から、その見積り額の一部を支払うことで合意が出来たため、大家さんからクレームを言われることなく、破産事件は終了した。
大口の債権者には、完成物にして納品をし、特にクレームを受けることはなかった。事業閉鎖の後、設計図の提供やアフターケアの配慮を丁寧に行ったため、大きな問題にはならなかった。
債権者からは、「計画倒産ではないか?」と疑念をもたれたが、実際に計画倒産ではなく、且つ、そのことを申立代理人が丁寧に説明をし、一応の了解が得られた。
代表者の自宅は、金融機関の抵当権に入っていたため売却をせざるを得なかった。ただし、最終的に自宅退去は事業閉鎖後、6ヶ月後のことであり、その間に引越しの準備を進めることができた。自宅は近親者がその家を買い受けるべく交渉、値段の折り合いが付かず頓挫してしまったが、値段がもう少し高ければ、代表者のもとに残すことも十分に可能であった。
相談から終結まで、約7ヶ月。工場を閉める当日に債権者からの問い合わせが多数あったが、すべて申立代理人が対応、代表者はごく短期間だけホテル暮らしをし、一切対応することはなかった。
その後、代表者は取引先で従業員として働いている。