東京地裁において、平成29年4月1日より、同時廃止事件と管財事件の振り分けに変更があると聞いたのですが、どのような変更があるのでしょうか。 | 弁護士による会社の再生・破産の法律相談  

東京地裁において、平成29年4月1日より、同時廃止事件と管財事件の振り分けに変更があると聞いたのですが、どのような変更があるのでしょうか。

A:これまでの基本的な考え方に変更はありませんが、同時廃止事件となる対象が一部広くなります。

1.これまでの基本的な考え方

          従前の取扱いでは、20万円以上の現金、または、20万円以上の換価対象資産がある場合、いわゆる少額管財手続の最低予納金ないし最低報酬額を払えるため、同時廃止事件とはなら ず、管財事件となっていました。

         この取扱いのうち、一定の換価対象資産があるか否かという点や、その資産の評価方法及び積算方法に関しては、従前の取扱いからの変更はありません。また、資産評価が必要になる場   合、法人や法人の代表者の場合及び個人事業者の場合など、その他の理由で管財事件に振り分けることになるという点も、なんら変更はありません。

2.新しく変更された点

         変更後の取扱いでは、現金については、33万円以上を有している場合に管財事件とすることとされました。具体的に言えば、換価対象財産の基準は、これまでと変わらず20万円以上か否かですが、現金の基準については、33万円未満であれば、同時廃止事件となり、事実上、同時廃止事件の対象が広がりました。

          今後予想される具体的な運用についてですが、まず、換価処分財産が20万円未満であり、現金も33万円未満であれば、同時審判事件として処理されることが考えられます。一方、33万円以上の現金、または、20万円以上の換価処分財産を有していれば、これまで通り、破産財団をもって破産手続きの費用を支弁するのに不足と「認めるとき」には当たらないことに   なるので、同時廃止決定をすることはできないとして、管財事件に振り分けられることになります。

  なお、法定自由財産は現金99万円までとされており、99万円までの現金は破産法216条1項の「破産財団」には当たらないと考えられますので、たとえ33万円以上を持っていて も、99万円未満であれば、管財事件にはなりますが、現金は保持できることが考えられます。

 

以上のとおり、変更後の東京地裁の取扱いについては、33万円以上の現金を債務者が有している場合や、20万円以上の換価対象資産がある場合は、管財事件となります。

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