解雇予告手当とは
労働基準法第20条により、会社が従業員を解雇しようとする場合には、少なくともその30日前に予告をしなければならないことが定められています。
ただし、この予告に変えて予告期間を短縮しようとする日数分の解雇予告手当を支払うことで、その日数分の予告期間を短縮し、解雇日を繰り上げることができます。つまり、解雇予告手当を何日分支給するかは会社側の判断により、早期に解雇する必要性や一種の退職手当的な要素などを考慮して決めることになります。
解雇予告手当の算出方法
原則、1日分の解雇予告手当の単価は、解雇予告日直近の賃金締め日からさかのぼって、3ヶ月間の賃金総額を3ヶ月の日数で割った額で計算されます。
【例】解雇日:3月31日
賃金締め日:毎月20日
12月21日~1月20日(31日間) 賃金総額25万円
1月21日~2月20日(31日間) 賃金総額20万円
2月21日~3月20日(28日間) 賃金総額20万円
↓
(250,000+200,000+200,000)÷(31+31+28)=7,222円/1日あたり
解雇予告手当は、退職金と同様の扱いになります。即ち、給与扱いではありません。したがって、雇用保険料や社会保険料などの源泉徴収はありません。最後に支給する給与に上乗せして支払い、解雇予告手当からも雇用保険料を天引きしているケースがありますが、これは誤りです。
また、所得税の源泉徴収は給与と分け、退職金と合算して計算することになります。
なお、解雇予告手当については、天災事変の場合など、不支給とできる例外も存在しますが、労働基準監督署の除外認定を経なければならず、除外が認められることは少ないため、実際には不支給とできる場合は限られます。
解雇予告手当支給の要否や額など、ご不明点などがあれば、お気軽にお問い合わせください。