業種 | 建築業、パチンコ店及び不動産管理業 |
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従業員数 | 約15名 |
負債総額 | 約10億円 |
債権者数 | 80社 |
破産直後に、申立代理人が任意で公共施設において債権者集会を行った。破産の規模が大きく、50人近くの債権者が集まった稀な例である。
リーマンショック後、建設業の受注が激減し、不動産の販売も低迷した。その結果、好調であったパチンコ業で会社を支えきれず、破産することとなった。
建築途中の工事について、当初施主は一切の代金を支払わないと言っていたが、当職が破産管財人として粘り強く交渉をした結果、進捗に応じた工事代金を支払ってもらうことができた。また、公共工事につき、保証金として約400万円を入れていたが、それを銀行が相殺したことにより、当職が破産管財人として、銀行と折衝し、公共工事に対する報奨金という性格を理解してもらい、かつ過去の裁判例等を丁寧に説明し、結果として約400万円の返金を受ける事が出来、それを財団に組み入れることができた。
不動産を多数所有していたため、パチンコ店を含め、当職が破産管財人として、約30の物件を売却した。パチンコ店に関しては、1億を超える額という、高値で売却をすることができた。売却にあたり、担保権者からは、高値で売却をできたことや、担保権が入り組み難易度が高い物件であったことを加味してもらい、通常以上の財団組み入れを可能にしてもらうことができた。
また、債権者の代理人弁護士から、破産会社の過去の取引約8000万円について問題視され、この点の調査を強く要望された。当職が破産管財人として、問題視された取引の相手方とも接触し、成否も見極め、その結果否認事由は存在しないと判断、債権者代理人に一応納得をしてもらった。
破産者の自宅については、担保権者の了解の下、生計を別にする破産者の親族に対して、当職が破産管財人として比較的高値で売ることができた。破産会社の代表者は結果的に自宅に住み続けることができ、担保権者は想定以上の返済を受け、想定以上の財団組み入れがなされたため、良い結果で終った。
ポイント
当職が破産管財人として、約30件の不動産を1件ずつ担保権者と交渉をしながら、売却をしていった。特に、困難であったパチンコ店の売却を非常に高値でできたことがポイントであった。また、銀行と交渉をし、預け金の400万円の返還を可能にさせたことも重要なポイントであった。