A.取締役が自己破産の申立をしても、取締役として業務執行にあたることが可能です。
旧商法においては、取締役の欠格事由として破産手続開始決定後、復権していないことが定められており、取締役の方が自己破産の申立てをした場合には、取締役の地位を失い、免責が確定するまで取締役になることができませんでした。そのため、自己破産をする方が取締役をしている場合、自己破産の手続中は取締役として当該会社の業務執行に携わることが法律上認められていませんでした。
しかし、2006年に新会社法が施行し、この規定が削除されました。現在では取締役が自己破産の申立をしても、取締役として業務執行にあたることが可能です。
ただし、会社と取締役との委任関係を規定している民法では、破産手続開始決定を受けたことが委任契約の終了事由として規定されていますので、破産手続開始決定により取締役の地位を失う点は変わりません。そのため、自己破産をする方が会社の取締役をしている場合には、破産手続開始決定後に再度会社から取締役に選任される必要があります。